これは今後語られることのない、世界の歯車の一つにさえなれない混沌となる
深々と降り出してきた雪の中を歩む人影はたった一つ
は一人、切れかけている街灯の淋しい灯りを受け、深々と降り積もる雪に埋もれつつある街道を眺める
既に時刻は深夜を回り、街の人の気配やアクマの気配など一切感じられない
いや、ここには 独りしか居ない
地を、世界を染めていくのは粉雪の如く淡い悲愴という名の、
世界の中に誰もが望む楽園なんてないと誰が言い出した
恐らくそれを知る術はとうの昔に廃れてしまったのだろう
人々は過去を振り向くことを恐れ、自分が手に入れた強大な力に溺れ
最も大切なモノの存在を忘れ自らの安住感と理想を振り翳し、
今後訪れるだろう災厄と悲しみに目を向けることはしなかった
愚者の綴る‐旋律詩‐によって
「……ウチ等が此処に居る理由、欲しいのかな?」
影を抱いた一人の少女は苦笑を浮かべ、
「何で、こんなことばかり思っちゃうんだろ…ッ」
灯りを彩る一人の少女は涙を耐え、
「 俺だけが犠牲になればよかった 」
闇と、現実の光の狭間に彷徨う少女はあてもなく
自分のことを信じてくれた仲間達に対して何かできたのだろうか、と
あの二人に対して今まで何か返せただろうか、と
師匠を、
一切の色彩が映らない
は、独り己の影しか移さない湖面を眺め声を押し殺し嘆く
彼女は、自らの身を捨て闇から差し出された"罪"を受け取った
空虚なる愛を探して
其の背に有るのは光を求め進む脚の代わりとなる羽じゃない
其の背に在るのは闇から抜け出し逃れる希望となる翼じゃない
は一人、真っ白な世界の中で静かに瞳を閉じて言う
「 なぁ、俺は一体何の為に今まで生きて来たんだろうな? 」
白い世界に映るのは自分じゃなかった
白い世界に佇む自分は神でも救済者でもなく、
「其れは自分で見つけるべき答えなんじゃないですか? 僕は、ずっと付き合いますよ。に」
「てめぇは一人で考えすぎなんだよ…ッ」
「…俺、アンタに謝らなきゃならねぇ」
刻々と流れ行く時間が、きっと解決してくれるよ
そう言った者の名はもう既に記憶から廃れ、
世界は神と名乗る災厄に蝕まれ
「ねぇ、本当にそれで良かったって思ってるの…? 後悔、してないの?」
「君が何を言おうとも、僕らは待ち続けるよ。 ホームなんだから"おかえり"くらいは言わせてくれないかな」
は一切返事を返さない
きっとそれは最後まで
きっと消える間際まで、
「本当は此方側に居るべきなんだ。 さぁ、おいで?」
「怖いんでしょぉ? 誰かに突き放されるコトがさぁ」
「 アナタ達はこの世界の"イレギュラー"でしかないのデス 所詮、居なくても変わらない存在なのですヨv 」
空虚なる"アイ"を探し て ?
「またお前達と会う事になるとは思ってもなかったよ」
白い世界の中でたった一人、深い藍色を湛えた髪を持つが薄紫色の双眸を灰色空へ向けた
それは何の色にも染まらない重く重く垂れ込めた心を病ます暗い色
初めてこの世界の空が怖い、と思った彼女は静かに瞳を閉じて其の口をそっと開き言葉を紡いだ
" なぁ、俺は今まで何ができた? "
こうして世界は終わりへ向かう舞踏曲を奏で
今度世界に眩い光が溢れ、空虚なる"アイ"が詠われる時
闇色抱いた少女は独り
白き世界になみだする
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予告的な物でした、
本当にこれに沿っていくかは未だ未定。
でも、此処に書いた台詞は扱う予定です。どれが誰の台詞かわかったでしょうか…!
この先は本編が進むに連れてシリアス、流血シーン、悲哀/悲愴要素、ダーク等々メインになるかもしれません…!
勿論友人との話を織り込め、アレン達との関係の話、師匠についての話。
過去の話、と書きたいことばかりでアレですが(笑
出来る限りほのぼのや甘めも取り込めていけたら頑張ってみようかなとも思っておりますv
2007/6/12